組紐の種類

三種類の組紐

組紐には大きく分けて、「角組」「平組」「丸組」の三種類があります。

  • 角組は、紐の断面が四角く、着物の帯締めやストラップなどに多く用いられている組み方です。
  • 平組は、リボンのような平たい断面が特徴で、靴紐やネックレスにも使われています。
  • 丸組は、ロープのような丸い断面で、巾着袋の紐やブレスレットに多く使用されている組紐です。

また、完成した組紐を結んで、花などの形を作ることを「飾り結び」と言い、水引やアクセサリー、髪飾りなどさまざまな用途で活用されています。

さまざまな組台

組紐を組み上げるための組み台は、現在使用されているのは主に角台、丸台、綾竹台、重打台、高台です。その他特殊な台があります。

丸台

丸台(まるだい) 円形の鏡(上板)、足、台板からなる組台です。鏡中央の穴から組んだ紐を吊り下げる構造になっています。簡単な組みから複雑な唐組など使用し得る組み台です。

冠組(冠の緒に用いられた組紐)、 丸源氏組(色の異なった糸で矢羽根柄を表現した組紐)、 平源氏組(丸源氏組を平たくした組紐)、洋角組(八つ組紐を芯に杉葉様に組まれた組紐)、 御岳組(角八つ組や洋角組を束ねて連結した組み方)、 唐組(矢羽根柄を表す笹浪組の変形)等の組紐製作に用いられます。

角台

角台(かくだい) 角台は、角形の鏡(上板)、 台板、組み上げた紐を吊る滑車等が付けられた構造の組台です。玉数が少ない紐組みに用いられますが、四つ組(4玉で組まれる基本的な組み方)、八つ組(8玉で組まれる丸紐)、丸唐組(組目を交差させた丸紐)、平唐組(丸唐組と同じ組み方による平組)、鴨川組(日本独特の組み方で強い撚り(より)を生む組み方)等と多様に組む事が出来ます。

 

重打台

平組の玉数が少ないものを組み上げるためのシンプルな構造の台です。例えば髪の毛を結ぶ際に一般的に三つ編みを施します。これは三つの糸の束を交差させ組み上げる三つ組という組紐と言えますが、さらに玉数が増えて複雑になったものが重打組です。

高台(たかだい) 

大型の木枠に左右2段に付けられたコマに玉を掛け、綾書きと呼ばれる組み方で、竹製のヘラで打ち込みながら組み上げます。
上下2段の糸の色を変えて柄出し(柄を描く事)が出来ます。複雑な柄出しに適しています。
高麗組(緻密な目が詰まった柄を作る組み方)、大和組(表裏の色や柄を変えた組み方)、笹浪組(笹や浪の波状の柄を作る組み方)、
貝の口組(貝が口を開けた様の、亀甲とも類似した柄出しの組み方)、安田組(あんだぐみ、格子状に組む組み方)、内記組(安田組を表裏に組み合わせた組み方 )、畝打組(高麗組を連結した組紐)等の多様な組み方が出来ます。丸台と共に多用される組台です。

 

内記台(ないきだい)

歯車により糸を掛けた木の葉状の板を回転させながら組み上げます。
江戸後期に開発されたと言われる 半自動的な組み作業が可能な組台ですが、複雑な構造のため、今日ではほとんど用いられる事が少なくなりました。

綾竹台(あやたけだい)

木枠に矢羽根型の棒を掛けた構造の組台で、経糸(横糸)を掛け、上下の経糸の間に緯糸(縦糸)を入れて、ヘラで打ち込みながら組み上げます。
平組で多様な柄作りに適した組み台です。